JAL(日本航空)を何故破産させなかったのかという議論が一時期あったが、どの国でも同様だが軍人(日本では自衛官)が有事の時の移動に民間機を利用するからだという主張が最も説得力を持っている。
弾薬や武器等は軍用機で運ぶが、人間は狭いため民間機でなければということである。
そのJAL問題の本質は、空港問題であるというのが森氏の主張である。
人が乗らない空港にまで、JALが飛んで入れば赤字になっても当然である。
以下、本書のポイントを要約しておく。
日本の空港数は99ヵ所。
単純計算すると、47都道府県に2つ以上あることになる。
例えば鳥取県には鳥取と米子という2つの空港があるが、その距離は100kmも離れていない。
また、県全体の人口は60万人。
これは東京の足立区の人口と一緒である。
要するに、足立区に空港が2つも必要かというはなしである。
「日本全国に空港を」というスローガンの下、1970年に創設された特別会計制度(空整特会)
は道路建設と同様、ばらまき建設土木行政を支えてきたのである。
もうひとつ重要なことは、日本の航空政策は実はアメリカの言いなりでやってしまったという事実である。
空港や路線が増えれば、ボーイングをはじめとする航空産業が潤うのである。
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