本書もまた東京地検特捜部が引き起こした国策捜査という名の冤罪事件を扱ったものである。
こういう国策捜査本は、この近年相当数出版されている。
世界最強の捜査機関と呼ばれた東京地検特捜部は、実は冤罪事件ばかり作っていることになる。
産経新聞者の記者である石塚氏は、もともとは特捜検事たちの活躍に拍手を送る側の人間であったが、平成20年に友人が特捜部の捜査によって追いつめられて行く過程をつぶさに見た体験によって、彼は自分の考えを大きく変えることになった。
記者たちが伝え聞いていく疑惑の構造と、自分が実像と信じるものとのギャップに悩まされていく。
要するに、新聞記者などという人種(TVも同様)は東京地検特捜部によって、いや、官僚機構によって実は洗脳され続けているということである。
この洗脳する最大の道具が、記者クラブ制度である。
記者クラブは大手のマスコミしか加盟できない。
官僚機構がフリーのジャーナリストや雑誌記者を締め出して、大手のマスコミにのみ情報を垂れ流すのである。
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