世界で初めて、経営コンサルティング会社を株式公開させた船井氏の著書である。
その株式公開をした理由は本書で書かれている様に、あやしいコンサルタントが多いために、信用を作る必要があったからだそうである。
以下、興味を引いた点をいくつか要約して紹介しておきたい。
ひとつは、アメリカ生まれの経営理論は土壌が違う日本では使えないと主張している。
これは正にその通りで、それを売り物にするコンサルタントや、それに飛びつこうとする経営人が多いことに私はいつもウンザリさせられている。
2つ目は、コンサルタントが最初にもっとも重要とするのは、クライアントに関する徹底した知識を得ることだと主張している。
これは、コンサルタントに限らず、全ての商売に共通することであろう。
いくら専門的知識があっても顧客を知らなければ顧客満足は得られないのである。
3つ目はクライアントがしたくないことは言わない(強制しない)ことを“鉄則”にしていると主張している。
明らかに正しいと思うアドバイスでも、クライアントが共感しない限りは無理に推し進めないそうである。
これは非常に重要な指摘であるが、逆に言えば勘違いしている人がいかに多いかということでもある。
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