本書の中で井上氏が提唱している、新しい売りものをつくるための経営鉄則についてご紹介しておきたい。
井上氏は、中小企業の経営者は次の3つのステップで進めていくべきであると述べている。
@まずは深耕と竹林経営に徹する
A売りものを変えずに売り先を変える
B商売替えと新事業開発
@の深耕については、自社の現在の売りものを井戸の底から水が湧いてくるまで『深耕』してみるべきだと述べているが、具体的には次の様に行う。
自社の商品がコモディティの商品であれば、まず安く売っても利益が出るかを深耕する。
スペシャリティの商品であれば、品質とデザインを深く磨きブランド訴求力を高めるために深耕する。
さらに、コモディティの商品については深耕して、スペシャリティの商品にまで持っていく努力をする。(脱コモディティである)
そして竹林経営、つまり次の3つ根を張ることである。(つながりの意味)
イ、技術の根 ロ、人脈の根 ハ、顧客の根
Aについては営業力のある社長はこちらからやってもよいそうである。
売り先とは売る相手の業界を変えていくことと私は理解している。
Bについては井上氏の経験上、商売替えしてもうまく行くケースは限りなく少ないそうであるが、わずかな成功例では、商品や人脈などの何らかのつながりがあって初めて成り立っているようである。
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