本書で描かれている会社は、日商岩井の社内ベンチャーからスタートしている。
その後、日商岩井とニチメンが合併し双日になりグループの傘下に入るものの、2008年には脱退している。
社長の寺井氏は商材の目利きがある人で、@商品のおまけA倒産前の会社Bパチンコの不正取締り機Cシベリア(ロシア)の中古品と言ったかなりニッチものを扱って利益を出している。
ただ売上が、83億6600万円で経常利益が1億6600万円なので高収益会社とまでは言えないが、目利きの部分にはかなり興味を引かれる。
『寺井マジック』と言われるような、寺井氏の目利き力は日商岩井時代に培ったことが次の文章により感じられる。
「私は昔から自分が担当する商売に関しては、何でこの商売があるのか、誰がこの様にしてこの商売を始めたのか、これまでこんな苦労があったのかなど、その商売の歴史を1つ1つ聞くのが癖でした。・・・」
日商岩井がバックにあったのでやってこれたビジネスと言ってしまえばそれまでだが、寺井氏の商売というものについての強い好奇心には敬服させられた。
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