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菅下 清廣「アブストラクト化する日本経済」(フォレスト出版)
2010
827日(金)

 

 

 本書によれば、アブストラクトとな時代とは、一見無益なものに価値が出たり、無益だと思われていたものが突然ブランド化するような時代のことだそうである。
裏を返せば、有益であると思われていたものの価値が全くなくなってしまうことも意味するのであろう。
例えば、アメリカの金融の世界で言えば債券株式、ファンドを売買しても手数料が限りなく安くなって儲からないが、価値がはっきりしないものを売れば手数料を高く取ることも可能と言う様なワケのわからないはなしになっていくようである。
菅下氏の主張について以下私なりの解釈を述べてみたい。
これはアメリカという覇権国家が壊れていくことへの象徴ではないのかと思う。
アメリカという国は甚大な財政赤字を抱えているが、それを政治力ないしは軍事力で世界中からお金をかき集めて成り立っている国家である。
米ドルが基軸通貨のためにドルを刷りまくり、これを米国債というかたちで各国に買わせているのである。
特に日本や中国が多額のお金を出している。
もう数年でアメリカという国家が破綻してしまえば、米ドルや米国債が無価値なものになってしまう。
そして、新興国(中国やインド)の通貨や国債の価値が高まっていく。
アブストラクトとな時代とは覇権国家の交代を意味しているように思えてならない。


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