前著を含めての所感を述べてみたいと思う。
ここで紹介されている会社は商品力のある会社、つまり、他社にない独自性の強い商品を扱っている。
だから強い会社なのである。
本書での紹介の仕方は「社員は先着準で採用」「給与は年齢序列」「日本でいちばん休みの多い会社」と言ったつまらない現象面を強調しているが、本質は商品力があることにつきるのである。
著者の坂本氏は企業は「社員とその家族」の幸福・満足を最も追求すべきと主張しているが、それは商品力があって高収益体質だからこそ可能なのである。
通常の会社は徹底した顧客指向によって生き残っているので、そんな余裕などない。
リストラにしても、そうしないとつぶれてしまうから行なっているのである。
また、仕事もしないのに給与をもらっていては、人間を駄目にするという思想が理解できないのだろうか。
坂本氏は今までは「株主・出資者の幸福、満足が重視されてきました。」と言っているが、これが全くのウソである。
現実を知らない学者先生の主張はこうもピントがずれてしまう。
恐らく坂本氏は業績の悪い会社(これが日本の企業のほとんど)の実態を御存知ないためこの様な本が書けるのであろう。
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