鳥飼氏は39歳で司法試験に合格し、弁護士としてのスタートが42歳、独立したのが46歳という、いわゆる遅咲きの弁護士である。
独立後は大変順調の様であるが、その活躍ぶりは父親の経営する税理士事務所での実務経験が大きく影響しているのだろう。
また、独立前後から税務訴訟が多発してきているという事実とも関係していると思える。
要するに、時流に乗ってしまったということである。
ただ、時流に乗っただけで成功したのではないことは本書を読めばよくわかってくる。
本書の中で共感できる部分を何点か引いておきたい。
「何年何十年も持続するような基本の部分を磨いてください」
「当たり前のことを当たり前にやり続けることに尽きます」
「専門性と人間関係を併せ持った弁護士が強い」
「『自分がやる領域』と『人に任せる領域』をしっかり切り分けていく」
「雑務で仕事の基本が磨かれる」
「自分の考えや方針を明確にしておくと、自然と良い仕事だけが集まってくる様になります」
「自分の知らない人、知らない部分で営業し、友人や知人ばかりではすぐに限界がくる」