本書は年間所得が1億円以上の人に対するアンケートに基づき書かれたものである。
対象者約6000人のうち回答のあった方は465人、つまり約8%の回答率である。
以下、アンケート結果のポイントをご紹介していく。
まず、日本のお金持ちは次の2つのタイプに集約されることを指摘している。
タイプ1は企業創業者、タイプ2は開業医(特に地方都市)となる。
弁護士・会計士・芸能人・スポーツ選手と言った職種の人は、一部お金持ちはいるにしても、全体から見ると圧倒的に少数派である。
まず、開業医について述べる。
近年『美容外科』『眼科』を専門とする医師が増加しており、また同時にそういった分野の医師の所得もふえてきている。
私も患者の数に比べて眼科医の数が少ないため、眼科医の所得がのびているというデータを見たことがある。
この分野でもそうだが需要と供給の関係なのである。
次は企業創業者であるが、高所得者達の業種が変化してきていることがもっとも興味深い。
1984年と2001年において、どの企業の経営者の所得が高かったかについて述べている。
1984年では土木建築・百貨店・スーパーマーケット・不動産賃貸・銀行・鉄道といった大企業の経営者(サラリーマン社長)が多かった。
しかし、2001年ではIT関係・化粧品製造・飲食チェーン・パチンコ経営・消費者金融・シンクタンク・人材派遣業といったオーナー経営者へと変化してきている。
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