サブタイトルが「学ばない子どもたち 働かない若者たち」という本であるが、このところ20代、30代に覇気のない人が増えていると思うことが多いため、3年前に出た本の再読である。
学者の書く文章の為非常に読みづらいが、印象的な部分を何点か要約して御説明したい。
まずは今時の若者は「わからないことがあっても気にならない」のくだりである。
わからないことが問題なのではなく、無知であることを恥ずかしいと思わないことが問題なのである。
ある仕事をするには最低限このくらいは知っていなければならないという認識が全くないのである。
次は「教育現場でさえも子供達が等価交換の思想がまん延している」という主張である。
これは等価というのがミソであるが、つまらない授業を聞いてあげているのだから、多少の私語も認めろということを意味している。
等価交換的な取引の一番大きな特徴は、買い手はあたかも自分が買う商品の価格を熟知しているかのようにふるまうことにある。と述べている。
最後は「労働からの逃走」のくだりである。
これについての内田氏の論述は正直言って難しくて私には良く理解できない。
私の経験から言うと、労働への喜びを感じないから、仕事に力が入らない。
つまり、人のために何かをやった場合、その人から感謝されることが自分の喜びにつながらないのである。
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