私は経営者の最大の資質は何かと問われれば、それは決断力であると答えている。
たとえその方針が間違っていたとしても、無方針よりも良いのである。
方針に誤りがあれば、それをすぐに変えればよいのである。
無方針は一番まずい。
決断力とは切捨てる力のことをいう。
つもることよりも捨てることの方が重要である。
まさに麻雀と同じである。
成功者がすべて経営者というわけではないが、切捨てる力のある男は非情ということになるのであろう。
本書より共感した部分を何点か要約してご紹介したい。
まずは「沈黙は金ではない。無能である」のくだりである。
人を巻き込むには面白い話をしなければならない。と述べている。
面白く、かつ役に立ち、かつ新しい情報や知識を提供できる人間が成功していく人間なのであろうと私も思う。
次は「客の要求は非情に斬り捨てよ」のくだりである。
確かに客の要求にすべて対応することがこ顧客第一主義と勘違いしている人は多い。
経営とは経営者が自分の売り物を決めて、それで勝負していくしかないのである。
例えば、新たにうどん屋さんを始めたとしよう。
その場合1人のお客がお汁の味が濃いと言っても、それをいちいち気にせずに自分の味を追及するしかないのである。
最後は「長いこと考え込んでいる者が、いつも最善のものを選ぶわけではない」というゲーテの言葉である。
優先順位をはっきりさせて素早く決断をする習慣をつけることが大事と述べているが、戦略とはまさに優先順位を付けることなのである。
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