仕事と生活のバランスをとる『ワークライフバランス』の推奨者である小室氏の著書である。
本書でも付加価値で勝負する時代には、社員は6時に帰らなければならない。と述べ、更にライフの時間を使って読書をしたり勉強会に出たりして、自己研鑽に励んだり、家事・育児・趣味などから「生活者の視点」を磨く必要がある。と主張している。
このことは理論的には私も正しいと思うが、現実的には意味をなさない主張、つまり空理空論である。
なぜならば、時間が多くとれたら勉強をするのか?
ほとんどの人は時間がとれてもしないのである。
勉強する人間は仕事が忙しくても、ちゃんと勉強して付加価値の高い業務が出来るように自分を高める努力をしているのである。
結局のところ、多くの凡人は仕事を通じてしか鍛えられないのである。
ただし、本書の中でチームワークを尊重することによって、効率良く仕事をするような提案がなされているかこれは重要である。
日本の大企業は、特定の部署の人が特定の時期に忙しいという特徴をもっている。
つまり、すべての人がいつもいつも忙しいわけではないため、チーム術という発想は面白いと思う。
だが、私がいろいろな会社を見た感想から言えば、案外ダラダラした働き方が日本人の気質・体質に合っているようにも思えるのである。
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