「社畜」とは会社に飼いならされて、自分の意思を持たない人のこと、この言葉は佐高氏のオリジナルというわけではないが広めたのは彼である。
これに対して「国畜」とは、国家に飼い慣らされている人間のことを指す。
本書の内容よりインパクトのある箇所を何点か紹介しておこう。
まずは「少子化になって困るのは誰か?」のくだりである。
そもそも何故少子化がいけないのか。
若者がいなくなると活力が減るとか、国の人口が維持出来ないとか、ネガティブな要因が挙げられているが、実はそれのどこがいけないのかよくわからないと佐高氏は述べている。
確かにバブルが崩壊するまでは、実は人口爆発がむしろ問題視されていた。
その爆発のタイミングが2010年頃とされていたのである。
人口爆発の問題というのはエネルギーや食料の限界のことを意味する。
政治家にしても、学者にしても、マスコミにしても、その時々の状況というか流れによってころころと主張が変わってしまうのである。
2つ目は佐高氏と鈴木宗男氏の対談より、鈴木氏の発言を引いておく。
直近のNHKのアンケート調査によると「努力すれば報われるか」の質問に7割の人が「努力しても報われない」と答えている。
しかし、10年前までは「努力すれば報われる」が7割で、「親の経済やあるいは所得は関係ない」も7割だったのである。
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