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青木雄二「僕が最後に言い残したかったこと」(小学館)
2010115日(金)

 

 

 漫画「ナニワ金融道」で名を馳せたあの青木雄二氏の最後の著作物になるのであろう。
彼は2003年9月5日に肺ガンのため亡くなったが、この本の初版は同年11月10日となっている。本の帯には、最後の言葉として「僕は今、肺ガンを患っております。余命は三ヶ月と言われました。唯物論者ゆえ僕は死ぬことなどは怖くありません。死ぬ気も一切ありません。」とある。
 ここで唯物論とあるが、これはマルクスを意識しての発言である。そもそもマルクス・レーニン主義つまり左翼イデオロギーとは3つの基礎理論から成り立っている。その中でもっとも重要なものが唯物論である。 それは社会の構造から見ると唯物史観となる。
 その唯物史観とは経済社会の上に2つのものが載っているという考え方をいう。2つのものとは、法律体系といった社会の決まりごとと思想や宗教などの人間の心に関するものである。
この場合、2つのものを上部構造、経済社会を下部構造と呼び、下部構造が上部構造を規制するが、上部構造が下部構造を規制することはないとマルクスは強く主張している。
下部構造つまり、経済社会つまり、人間の日々の暮らしが一番大事なのだから、仮に上部構造である思想が革命の方へ向ったとしても、現実としては経済社会を破壊しなければ、革命は起こらないという意味である。


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