2年ほど前に「新宿駅最後の小さなお店ベルク」という本が店長の井野朋也氏によって出版されたが今回は副店長に書き手が変わっている。ベルク(BERG)という店はJR新宿駅東口改札のすぐそばにある飲食店である。個人経営の小さなスタンド(セルフサービス)式ビア&カフェであるが、たった15坪のスペースに1日平均1500名の来客がある。
本書を読むとごく限られたコスト、ごく限られたスペース、ごく限られた時間の中で戦っているのがよくわかる。本書の中で興味深い箇所をいくつか紹介しておきたい。
・まずは大手メーカーの商品開発にコメンテーターとしてかかわたっというくだりである。
製造の方と話しをして、どんなにすばらしい試作品ができても最終的には経営者がコストにこだわるため、試作品の7割ぐらいの出来の商品になってしまうと述べている。
つまり、本当に良いものを作るためにはコストを押さえてはダメである。
そうしないと売上が伸びてこないということがほとんどの経営者はわかっていないのである。
・もうひとつは、お店を開こうと思ったら参考になる本はいっぱいあるというくだりである。
ただし、経営や経理、商品開発、メニューづくり、内装デザイン、接客などなどで肝心の不動産物件や仕入れに関する本は意外に存在していないと述べている。確かにそうである。だから多くの方はフランチャイズ方式の加盟店になりたがるのかもしれない。
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