お金持ちの研究本のひとつであるが、こういう本を読むといつも思うことは、何故日本は富裕層向けのビジネスがきちんと確立されてないのかということである。研究している割には実践まで行きつかないのは国民の9割が中流と思われていた期間が永かったからなのだろうか。
本書はお金持ちとはそもそも何者なのかとか、お金持ちはお金が増える一方で、何故、減らないのかと言った内容になっている。宮本氏はお金持ちには共通する点が7つほどあると指摘している。
それは(1)充分な元手がある。(2)リスクを取る勇気がある。(3)お金以外の「無形の財産」を築く。(4)ぜいたくに見えても「活きたお金」の使い方をする。(5)「負のレバレッジ」を避ける。(6)ピンチをチャンスととらえる。(7)信頼や堅実さを大切にする。である。
この中で(5)については少し説明が必要であろう。「身代を潰した」と評されるお金持ちは、たいていの場合は家族以外の大勢の人とぜいたく三昧をしたり、無謀な事業に投資したりと個人消費の域を出た浪費をした場合が多いと述べている。
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