著者はスリランカ生まれではあるが、1980年以降は日本で生活している。
本書は、何故人間はくじけるのかとか、どうすればくじけないで生きていけるのかについて書かれているのだが、どうも宗教家の発言は難しくてよくわからないというのが正直な感想であった。
ただ、最後の「おわりに」に書かれたことは、わかりやすかったのでこれを紹介しておく。
どちらのワインが高級かを当てるテレビ番組のはなしである。
比較されるのはワインのみならず、出演者の味覚もである。
出演者の中には味覚に自信のある人もない人もいるからである。
またややこしいのは、もともと高級ワインだったものを保存状態を悪くしておいて、価値をわざと下げたものを用意している点にもある。
こうなってくると、何が価値が高いかがわからなくなってしまうのである。
著者は2000円のワインの方がおいしいとあなたが判断したのなら、「3万円のワインを飲んだけど良くないね」と言い切ってしまえと教えている。
そう言い切れると、あなたは「基準の呪縛」から解放されるのである。
そもそも日本人の多くに誤解があるが、ワインというものは古いものが高いのである。日本酒と違っておいしいものが高いのではない。
だからワインにはそれぞれの人の好みや食事に適したものをアドバイスするソムリエという職業が存在するのである。
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