本書の内容を簡単にまとめると、以下の様になる。
社内失業とは、会社で暇を持て余す20代〜30代の若年社員のことをいう。
その社内失業者はどのくらいいるのだろうか。
2009年度経済行政白書によると、企業内で余剰人員となっている社内失業者の推計は1月〜3月でなんと670万人に上ると記されている。
つまり、給与所得者4500万人のうちの13%が社内失業に追いやられていることになる。
前年の2008年度の1月〜3月の社内失業者数は38万人と推計されているが、1年間でずいぶんとふえてしまったことになる。
著者の増田氏自身も現役の社内失業者であるが、他の多くの社内失業者にも取材をしている。
日本経済の縮小、つまり需要と供給のバランスが崩れてしまったことに問題があるわけだが、
私は同時に社員のクビが簡単に切れないことにも問題があると考える。識者によっては、
クビを簡単に切れることが問題だと主張する人もいるが、私はむしろ仕事もしないのに、
たた漠然と給与をもらい続けていることが、人間をいかにダメにしてしまうという視点にもっと目を向けるべきであると思う。
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