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 水野利夫・萱野稔人「超マクロ展望と世界経済の真実」(集英社新書)
20101224日(金)

 

 

<その1>
  2人の対談の中からインパクトのある箇所を何点か紹介しておきたい。 水野氏は次の様に発言している。
・日本では1995年度から2008年度にかけて、 大企業製造業の売上高が43兆円増加したが、同時に変動費である原材料費が50兆円も増加してしまったために、給与は増えていない。 これが景気がよくなっても個人所得が増えない理由である。
・原材料費の、つまり資源高の最大のファクターは、オイルの高騰である。 1974年から2002年までの原油の平均的な価格は1バーレル20ドルであったが、現在はその4倍になっている。 1974年前、つまり、オイルショック以前は1バーレル2ドルであった。 それがオイルショックにより135ドルまではね上がり、その後、20ドルで落ち着いていたということである。
・アメリカは何故イラクを攻撃したのか。アメリカはイラクにある原油が欲しかったという説があるが、 それが最大の理由ではないと萱野氏は主張している。むしろ、フセインが原油の売上代金をドルでは受け取らない。 すべてユーロで受け取ると国連に宣言し承認されたことが最大の理由だとしている。 原油の国際取引は、原則としてドルで決済しなくてはならないというルールへの挑戦が、 ドルの基軸通貨体制をこわしてしまうと考えたからであろう。


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