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 有森隆「日銀エリートの挫折と転落」(講談社)
2011119日(水)

 

 

<その2>
  木村は自分の事実認識が間違っていたことに途中で気づいた様である。 その段階で自分の銀行を解散すべきだったのである。 それを無理やり進めようとすることから、おかしくなってしまうのである。 真っ当な会社は木村の銀行からは誰も借りようとしなかったとういうことである。
  もうひとつ木村の事実認識の誤りを指摘しておきたい。 それは小泉構造改革の時代の不良債権処理のことである。 木村は、不良債権の処理が進まないから日本の経済(景気)が良くならないと強く主張していたことがある。 不良債権の処理が進まないから景気が良くならないのではなく、 事実は全く逆で景気が悪いから不良債権が増えるのである。原因と結果をとり違えているのである。
  木村は日銀出身のエリートであるため金融というものを中心に物を考えるクセが付いているが、 金融は経済においてサブではあるがメインではないのである。 現在の日本の企業もお金がないわけではない。 お金は持っているのである。問題は仕事がないのである。 企業にお金はあっても仕事がなければ経済は活性化しないのである。


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