<その1>
元全共闘活動家またトロッキストでもあった大竹氏の著作であるが、
そのスタンスは基本的に親米である。
現在はニューヨークでファンドマネージャーをやっている関係なのか、中国よりもまだまだアメリカが強いという論調になっている。
インパクトのある箇所を何点か要約して御紹介していこう。
・中国では新幹線ブームだと大騒ぎしているが、
列車内はガラガラで空気を運んでいるのが実情である。
その理由は、運賃が高すぎることとビジネスであれだけの距離を移動する必要がないことにある。
つまり中国の場合、省単位で経済が回っており、一つの省がそれぞれ独立しているため、
別の省に移動してビジネスを行う必要があまりないのである。
・アメリカの産業は相当強い。その中心は金融、ソフトウェア中心のハイテク、
小売業、医薬品の4つである。いわゆるモノづくりなどは馬鹿馬鹿しくてやっていられない。
最先端の技術、人間のクオリティが問われる産業で経済を支えていこうというのがアメリカの基本ベクトルである。
当然これらの産業は高収益構造になっているという認識である。
・菅直人には自分はこれだという形がない。当然自分はこれを貫きとおすのだという信念も持ち合わせていない。
そのかわり付和雷同する一般市民層の人気を得られる対象を見つける力はある。
|