私にとっては昔から非常に興味深いテーマであった。
日本という国は加害者ばかりでなく、加害者家族までもが社会的に追い詰められていく傾向が強い。
加害者家族は職を失ったり、何度も引っ越したり、子供がいる場合は転校を繰り返さないと社会生活が送れなくなるというのは驚きである。
加害者家族が心ならずも背負ってしまった十字架の重さと償いのありようを探ったのが本書の内容である。
日本という国はある意味異常なまでに犯罪加害者家族をバッシングするという国民性を持っているが、
この点アメリカは全く逆で未成年者が犯罪を犯すと、その家族に対しては激励ばかりでバッシングはない。
日本では教育というものは国家ではなく親がやるものであるという根強い考え方があるからなのだろうが、
ただ、未成年犯罪だけでなく、成人の犯す犯罪についても配偶者等の親族へまでバッシングがあるということは、
むしろ連帯責任の意識が強すぎるからなのだろうか。それにしても程度を超えていて薄気味悪さを感じてしまう。
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