<その1>
日教組つまり日本教職員組合を支持する立場と批判的な立場とのバランスを考えて、
著者の森口氏は本書を書いたようだが、必ずしもうまくいっていないと私は思う。
なぜならば、日教組の主張を単純に偏向教育と決めつけているからである。
森口氏の主張では自民党を中心とした体制派と対立するような歴史観に基づく教育は偏向教育になってしまうのである。
どちらの主張が正しいかは史実に基づいて考えるべきであって、反体制イコール偏向という発想はもう好い加減卒業してもらいたいものである。
本書の中で日教組に加入している先生が実践している「いじめ対策」について述べたくだりがあるが、
大変興味深いためそこを抜粋しておきたい。
1.いじめの認知において、本人、親、友人の誰からの報告であったかは加害者側に対して明らかにしない。
(つまり、この事態を心配している人とで統一する)
2.教員は1人ではなく、チームで対処する。
3.複数の加害者と複数の教員が別部屋で一対一で対応する。
4.部屋に加害者を残して教員が集合し、情報交換・矛盾点の分析を行う。
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