たった1坪のお店で年商3億円を超える会社を経営する78才の2代目女性社長が書いた本である。
(1坪と言ってもそれは店舗のはなしで、工場はそれなりの広さはある)
吉祥寺にある羊かんともなかの2品だけを売る「小ざさ」という店で、40年以上早朝からの行列がとぎれないそうである。
羊かんは「和菓子の王様」と言われているが、小ざさの羊かんは、1日150本に限定していることが、結果として、成功した原因になっている様である。
本書の中で印象的な箇所を何点か要約して御紹介しておきたい。
・「とにかく一番美味しいものをつくれ」これが創業前からの父の口癖でした。食物屋だから当たり前と思うかもしれないが、これが案外出来ないものなのである。
・お客様とは節度をもって接しなければならない。だからあまりお客様に近づきすぎてはいけないという父の教えでした。
・甘さ控えめの意味は、砂糖を極限まで使ったうえでの甘さ控えめのことである。
・店に入ろうかどうか迷っているお客様にやたら声をかけてはいけない。爪先がちょっと店の方に向いた瞬間に声をかけることが大事。
・お客様がいなくても、ただ突っ立っていたら店の空気が澱む。そうなるとお客様は入ってきにくいものである。
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