渋谷区の税理士 中川尚税理士事務所

 

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 田中弘「国際会計基準はどこに行くのか」(時事通信社)
2011214日(月)

 

 

<その2>
・個別財務諸表は配当額の決定や課税基礎の提供のように、各国の法律制度や税制度と密接に関係しているものだから、 自国の法律と会計基準で作成するのがよい。つまり「連単分離」である。
・法律や基準をいくら強化しても規制の網の目をかいくぐるだけのインセンティブとメリットがある限り、 会計を悪用し利益操作・粉飾決算を行う企業は後を絶たない。 どの国でもそうだが企業決算、監査の質を決めるのは経営者の意識(倫理観)と会計士のインテグリティ(高潔さ)・責任感である。 要するにどんなに法律等の網の目を細くしても、上から水をかければ下に落ちるざると同じなのである。
・会計士の人数が足りないのではない。日本の大企業がこぞって同時決算をするから、瞬間的に不足するのである。 上場企業の4,000社の70%、つまり2,800社が3月決算、300社が12月決算となっている。決算期を分散させれば、解決してしまう問題なのである。
・税法に従って作成した財務諸表から企業の真の経営成績や財務状態を把握することは難しい。 これには異論がある。問題の本質が違う。本来は税法通りに作成した決算書が正しい経営実績を表していなければおかしいのである。 正しい経営実績でなければ正しい課税にならないのである。 問題は近年税法を改悪して、税法に基づく決算書を会計基準つまり正しい経営実態からかい離させてしまったことにある。


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