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 山本直人「電通とリクルート」(新潮社)
2011215日(火)

 

 

  「広告」と「情報」の区別をあいまいにすることによって成長した企業がリクルートである。と言ったのは確か佐高信氏だったと思う。 広告は自社の製品やサービスについて伝える手段であるのに対して、 情報は第3者が客観的に伝えるというイメージがあるがために、情報の方が信憑性、信頼性は高まるのである。 本書はマスメディアを通じた広告であるゆる商品を売ってきた電通と、就職や住宅購入等の「人生の節目」をビジネスにしたリクルートの2社の類似性や相違点について書かれたものである。
 インパクトのある箇所を何点か御紹介しておきたい。
・広告にはマスメディアを媒介とした広告である「発散志向広告」と検索連動型広告などの「収束志向広告」の2つに分けられる。 前者の仕組みを築きリードしてきたのが電通であり、後者のパイオニアがリクルートである。
・広告費とGDPの増減の関係は、広告費は経済成長期にはGDP以上の伸びを示すが、縮小期にはGDP以上に大きく総額が減少している。
・リクルートは徒歩1分=80mというルールを作りだし瑕疵物件やオトリ広告に対する審査機能を強化し、不動産流通の近代化、情報の公正化を推進していった(リクルートの社史より)
・人材募集、不動産、そして海外旅行、中古車などリクルートの開拓した領域は、マス広告では補いきれない情報を求めるニーズが存在したのである。


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