著者の久保田氏は脳科学の専門家として、今ブームの「短時間睡眠本」や「朝活本」へのアンチテーゼとして本書を書かれた様である。
人間にとって最適な睡眠時間は1日トータルで7時間前後であることが、最近の脳科学の研究でわかってきたそうである。
このことは、他の専門家も近年そのことを強く主張しているし、また昔から似た様な主張をする人は多かったのではないか。
以下、本書の中より興味深い箇所を何点か要約して御紹介しておこう。
◆「1日9時間以上の睡眠では、心臓血管等の病気と脳卒中のリスクは1.5倍に増えた」
つまり短時間睡眠だけでなく長い睡眠も健康には良くないということである。
◆「一度目が覚めたらベッドに横になったままでいろいろなことを考えずに、とにもかくにも「起き上がる」ことが大事。」
これは脳内の最高中枢である前頭前野は身体を動かすことで活性化するからである。
◆最もストレスに強い人は「経済的地位」は低いが「人間関係の満足度」が高い人で、
よりよい方向に生活が向かっている人だったことがわかってきている。
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