<その1>
長びく不況により中流層の人が減り、下流層が増えてきているためその層の消費マインドをつかまないと、
日本の小売業も外食産業も生き残っていけないというのが須田氏の主張である。
このことは随分いろいろな人に言われ続けていることなので、あえて単行本にするようなものなのかという感想を持った。
「すさまじいお買い得感」がユニクロ、マクドナルドにはあるが、百貨店・総合ス−パー・ファミリーレストランにはないため、
これらの業態はいずれ近いうちに日本から消えてしまうのだと結論づけている。
私はこのあたりの見解には違和感を持っている。
確かに百貨店はどうでもいいものは安く売るが、ちょっといいものとなると相変わらず高過ぎる値段で売却している。
また、百貨店業界は販売戦略以外にもすべてに関して、顧客対応に問題ありという印象がある。
しかしながら、すべてが消え去るところまで行くというのは言い過ぎであろう。
須田氏はすべての日本人がマクドナルドのハンバーグを食べ、ユニクロの服を着る日が本当に来ると考えているのだろうか。
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