<その1>
どの業界でも同じだが、弱小の企業が倒産せずに生き残っている理由は決まっている。
それは、その業界に住み分けの慣習があるかないかである。
つまり、大手がやる仕事の分野と弱小のやる仕事の分野が明確に分かれているかどうかである。
住み分けの慣習がないと大手が弱小がやる分野にまで侵食していくため、中小零細企業は完全に淘汰されてしまうのである。
もっとも住み分けの慣習の前に、その業界の商品(サ−ビス)が斜陽化されていないことが前提条件になってくることは言うまでもない。
不動産業界における大手は基本的に借金体質の会社が多い。
よって、金融機関がその時の経済情勢等に伴い融資方針を変更させたことによって、案外簡単につぶれてしまうものなのである。
大手はいつもいつも淘汰されていて、数がふえていかない。
大手の数がふえていけばどうしても弱小の分野へ参入せざるを得ないが、そういうことが起こらないのである。
これがなぜ町の不動産屋はつぶれないのかの私の答えである。
ただ、著者の牧野氏も上記の様なことが言いたかったのではないかと、私は勝手に推測している。
本書からではハッキリ言って遠回しな言い方が多く、つぶれない本当の理由はよく理解できない。
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