<その1>
タナベ経営出身、経営コンサルタントの井上和弘氏は「儲かる経営革新」と「成功する事業承継」が二大ワイフワークになっているそうである。
本書は後者の事業承継について「事業を継ぐ」側ではなく「事業を継がせる」側を対象にして書かれたものである。
私は個人としては事業承継には興味はない。むしろ、後継者問題なんか一生懸命考えなくてよいと社長たちに主張している人間である。
たまたま後継者候補とおぼしき人がいれば考えればよいことで、無理をする必要はないというのが私の立場である。
以下、本書の中より興味深い部分を何点か要約して御紹介しておこう。
◆60歳で社長職を退き代表取締役会長に就き、65歳で代表権を返上し、75歳で相談役になって経営から完全引退する。
◆事業承継させるには承継期間を15年程度みる必要がある。事業承継の節目はその会社の弱みがもっとも現れる時期でもある。
◆100年以上に渡り企業が承継しているのは、
@売り物、商品が生活に根差した伝統品、必需品である。
A賢明な子供、継ぐ人材がいた。
B地味でありながら業界の中で常に改善を行い、その時代時代で革新的な手を打った。
などの理由が考えられる。
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