本書は不動産市況アナリストが書いたものである。
参考になる箇所を要約して御紹介しておきたい。
◆約760万戸の空き家が存在しているが、住宅の新規供給が続いていることを考えれば、人口減少による住宅需要の縮小と相まって、空き家のさらなる増加は避けられない。
◆これまで住宅については「増築」するのが普通だった。だが、最近では家族の人員減に伴う「減築」などと呼ばれるような新しい動きも出ている。
◆最近では中古マンションや中古の戸建て住宅の取引件数が堅調に推移しているが、その成約価格は地方圏では1,000万円前後から2,000万円未満が主流となっている。
◆日本では昔から土地は足りないものといわれ、「土地神話」なる言葉があった。そのため、「地方の原野」でも資産価値が「いくら」といわれ、買った人も多くあった。
その後利用もされず、今も放置されたままになっている。
◆千葉県の木更津市は91年のピーク時から97%の下落率となり、ピーク時の約30分の1にまでなってしまった。 (これは商業地についての記述であるが、住宅地も似たようなものである。)
◆大都市で最近供給される戸建て住宅の8割は30坪以下の土地に建てられている。
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