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 高井弘之「誤謬だらけの坂の上の雲」(合同出版)
2011331日(木)

 

 

<その2>
◆司馬の言うように「清国に領有しよう」という意図があらかじめ存在していなかったら平壌での戦闘終結をもって日清戦争は終わっていただろう。
しかし、日本政府は清国領内への侵攻を続けたのである。そして講和条約において、遼東半島、台湾、膨湖諸島を「永遠に日本に割譲する」こと、 つまり日本が「領有」することを清国に認めさせたのである。
◆両戦争の目的をはっきりさせるためにそれぞれ「日清戦争→第一次朝鮮植民地化戦争」「日露戦争→第二次朝鮮植民地化戦争」と呼ぶべきである。
さらに歴史的主体としての朝鮮、朝鮮の人々のことを考えれば、「日本による朝鮮植民地化戦争」「朝鮮による反植民地化戦争」という時代認識が不可欠となる。
◆司馬史観においては、朝鮮から清を追い出して日本が朝鮮を単独支配するために行った日清戦争も、日本による朝鮮の保護国化、 植民地化も「欧米列強の侵略から日本の独立を守る必要があった(から仕方なかった)」という理由づけによって結局のところ正当化されている。
そして、その一定の「免罪」が行われるという構図が、NHKドラマの「坂の上の雲」にも「プロジェクトJAPAN」というNHKの歴史検証番組にも共通して存在しているのである。


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