社会保険労務士の書く本は基本的に労働者の立場(経営者向けに書いたと言いながらも)のものが多い中で、本書は中小企業経営者の立場から書かれている。
常に思っていることだが、何故、社会保険労務士の先生方は、戦後すぐに出来て今日の社会に合わなくなっている労働基準法の改正を主張しないのだろうか。
悪法も法なりではあるが、もう少し専門家としてきちんと批判してほしいと思う。
現行の労働基準法は労働者を甘やかすばかりである。
それによって無用なトラブルも多いし、経営者が正社員として採用することに慎重になり過ぎてしまい、かえってデメリットになっている。
以下、本書より参考になった箇所を要約して紹介していこう。
◆有給休暇は翌年1年間繰越しが出来るが、消化のしかたは新規付与分からでもかまわない。
◆有給休暇時でも「通勤手当」は原則支払う必要があるが、日給制であれば不要である。
◆給料は「休日前支払い」に法的根拠はない。あらゆる支払いの中で何故か給料だけは前払いの慣習が出来あがっている。
◆解雇予告手当は退職金扱いとなるため、社会保険の対象とならない。
◆電車の遅れや渋滞のような不可抗力による場合でも、遅刻分を給料カットすることは可能である。
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