<その1>
本書は「国税通則法の改正と納税環境整備」についての国会議員と学者の対談をまとめたものである。
平成22年12月16日に閣議決定された平成23年度税制改正大綱には「納税者の立場に立って納税者権利憲章を策定するとともに、
税務調査手続の明確化、更正の請求期間の延長、処分の理由附記の実施等の措置を講じることとし、
国税通則法について昭和37年の制定以来最大の見直しを行います」と記述されている。
国税不服審判所と番号制度の問題は先送りとなっているが、自民党時代と異なり、
民主党の政治家自身(官僚でない)が大綱を書いているため、パーフェクトではないが、
内容は前向きであると対談者の2人は評価している。はたしてそうであろうか。
納税者憲章は課税、納税手続きにおける納税者の権利を制度的に保障する基本的な法律で、
欧米では1970〜1980年代にかけて制定する国が相次いだ。1990年代には韓国でも出来ている。
日本では1980年代から運動は進められてきたが、成立はやっとこれからである。
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