本書は帝国ホテルのパーツパーツ、つまりロビーの担当者、レストラン・バーの担当者、
調理場・宴会場の担当者等々の人達へのインタビューを中心に構成されている。
以下、興味深い箇所を要約して御紹介しておきたい。
◆メニューを選ぶ場合、外国の方は99%コース料理を注文しない。前菜(ないしはスープ)とメインディッシュの2皿が多い。
逆に日本人はほとんどがコース料理となっている。要するに外国人は自分で決めるためアラカルト、
日本人は自分で決めないためコース料理ということであろうか。
◆帝国ホテルには外国人客が多い。外国人客はそういう場合に(クレーム)にあやまるだけでは納得しない。
きちんとしたロジックの上に立った対応のノウハウを身につけていなければならない。
そうすれば失敗がチャンスに切りかわり、誠意ある対応が新しい顧客を生むきっかけともなる。
◆クレームの場合、外国人のお客様は誰が責任者なんだというところからスタートして、落としどころを考えた交渉が多い。
これに対して日本人あは「社長を出せ」で始まり、
クレームつけた段階でホテル側との折り合いをつける気持ちを捨てているようなところがある。
気に入らなくても料金は払い、そこへはもう二度と足をはこばぬという対応になる。
要するにオール・オア・ナッシングの思想である。
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