<その1>
日本経済復活のための30の論点を絞り、その各々に対して「どうしたら良いか」という処方箋を提示しているのが本書の内容である。
ただ、官僚と金融機関のシンクタンクの分析及び提案であるため、内容的には違和感があるが、その中でも興味を引いた箇所を要約して御紹介しておきたい。
【論点1】
消極的な金融政策が続く限り、日本のデフレ不況は続く。つまり、世界に合わせてマネーを増やせと強く主張している。
マネーだけを増やしても仕事が増えなければ、不況は脱出できない。今までの日本を見てもそうであるし、一番わかりやすいのはアメリカではないのか。
やはり、財政政策をやらないと景気は良くならないということは、もうすでに決着済みのことであろう。マネタリストの人々は、なかなか敗北を認めたがらないのである。
【論点2】
財政再建のためには、無駄の排除とともに消費税を増税し、社会保障費を減額する必要があると主張している。
日本の財政赤字の最大の理由がアメリカの国債・地方債の買い過ぎにあるという視点が欠けているのである。
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