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中川尚の飛耳長目(税理士読書日記)TEL 東京・渋谷 03-3462-6595

 

 佐藤優「人たらしの流儀」(PHP研究所)
2011713日(水)

 

 

<その2>
◆「想定外の大地震と津波によって大事故が発生してしまった。」
電力会社は、表向きは日本の原発は関東大震災(マグにチュード7.9)の3倍までの地震に耐え得るとPRしてきたという事実を佐藤氏はどう受け止めるのか。 マグニチュード20とか30の大地震であれば確かに想定外と言う主張も成り立つと思うが。(通常大地震というものは、マグニチュード9台までいくものである)
津波にしても、過去三陸沖では40m近くの高さまでの記録がある。波高5.5メートルを想定して原発を造ったという東電側の主張は、頭が狂っているとしか言いようがない。 こう言ったまっとうな批判を意味がないと佐藤氏は切り捨てているが、どうやら佐藤氏の言論人としての活動はもうそろそろ限界なのかと思えてならない。
◆「重要なのは、人間の理性でとらえることができるのは森羅万象のごく一部に過ぎないという自然に対する畏敬の念を持つことである」
佐藤氏はリスク管理というものが全く理解できていないようである。リスクヘッジができなかった言い訳をまことしやかに述べて何の意味があるのか。 佐藤氏の思想の立脚点は国家主義者つまり体制派にある。国家主義者はいつも国家は悪くない悪くないと言い訳をしてしまう。 日本という国はいつも先の大戦でもそうだが、きちんとした自己批判がなく前へ進んでしまうのである。 そして、あの大戦は仕方のないものだったと主張するのである。人の国へ侵略して何千万人もの人を殺して、やむを得なかったで済むものではない。 だから、日本はまともな外交がいつまでたってもできない。


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