<その2>
◆「ソ連時代はみみっちい社会主義ベースのワイロしか取れなかったが、自由競争の市場社会で取れるワイロは青天井だ」と信じこんでいる連中がわんさと群がっているのだ。
◆恐怖は人の視野を恐ろしいほどに狭めてしまう。
「エリート主導の欧米社会から、人類史上初めて真の大衆社会を築いた日本には、経済覇権が移る」という展望は、欧米のエリートを恐怖のどん底に陥れる。
◆後進国にはありがちなことだが、中国でも「鉄道は貧乏人だけが利用するもの。
カネさえあれば、自家用車を買わなければみっともない」という心理が蔓延しているらしい。
◆もし、この日本をお読みになった感想が、「BRICs諸国は表面だけ取りつくろっているけど、どんでもない落第国家だ」というところで終わってしまったとしたら、著者としては失敗だ。
なるほど落第国家ではあるけれども、政治、経済、社会の実権を知的エリートが完全に掌握している欧米諸国のような悪辣さはないというのが、著者として一番言いたかったことだからだ。
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