<その1>
昨今の増田氏の言論は本当に荒くなっていると思う。
本書にもその荒さが顕著にあらわれているが、同時に興味深いデータ・情報もあるためそれらを織り交ぜて御紹介していくとともに私のコメントも加えていきたい。
◆「スリーマイル島やチェルノブイリでの事故と今回の事故の最大の差は何か。前者は明らかな人災で、福島は非常に大きな天災だったという差がある。」
これは二重の意味で誤りである。
まず、チェルノブイリは地震が原因で起きたことは、確定した事実である。根本原因は地震であると政府も発表している。
また福島は天災であるというのも、相当無理のある議論である。
日本は地震大国でありながら、地震を想定して原発をつくっていない。
厳密に言うと日本の原発の約9割は、アメリカがその基本設計を行っている。
つまり、アメリカは基本的には地震のない国のため、当然に、アメリカ製の原発は地震を想定していないつくりになっている。
本来、想定すべきものを想定しなかったわけだから、これは明らかに人災と呼ぶべきなのである。
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