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 増田悦佐「日本と世界を揺り動かす物凄いこと」(マガジンハウス)
2011125日(月)

 

 

<その2>
◆寡占化した業界では有力企業同士が共謀して、なんとか業界全体で減産・価格上昇を実現しようと画策する。そして1930年代のGMのように事実上の独占状態を達成した企業は、大不況の中で平然と自社の操業率を七割も削減して大量の労働者を路頭に迷わせながら、自社の利益は確保するという血も涙もない所業におよぶ。

◆タバコの有害表示が義務付けられたのは1966年のアメリカが最初であり、その後世界各国で広まっていった。その結果、タバコ産業は滅亡したか?あるいは収益が悪化したか?全然そんなことはない。 全世界での販売量は多少減少したかもしれないが、タバコ製造各社の利益率はまちがいなく上昇しているのである。

◆世界中どこでも各国の厚生労働省に当たるタバコ産業監督官庁・税務当局とタバコ産業各社は表面的には規制と被規制の敵対関係にあるはずだ。だが実態としては、彼らはどこでも仲睦まじい共生関係にある。

◆石油というのは大変やっかいな商品で、埋蔵量の大きな油田を掘り当てたりすると、追加的コストはほとんどゼロでいくらでも増産できることが多い。 つまり「原油価格は誰かが管理していないと暴落するという性質をもっている。」 だからこそ石油産業の歴史は有力企業、有力資源国による生産・価格両面にわたるカルテルの歴史だったのである。


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