＜その３＞
◆ウィキリークスが一躍、既有のマスメディアに注目されることになったのは、2010年4月に公開された一本の動画がきっかけだった。それは2007年にイラク駐留の米軍ヘリコプターがイラクの一般市民やロイター通信の記者を無差別に銃撃し、殺傷した様子を映した衝撃的な映像であった。

◆日本には国家戦略がないとよく言われるけれども、それは正しく情報を収集し、分析するシステムが完成されていないのだと思う。

◆外務官僚の発言を報告した外交公電（つまりアメリカの外交官が記録する公式文書）は、民主党政権がなぜ失敗したかを理解する上で極めて重要である。 本来なら政権与党の政治家の外交方針を実現していく手足となるべき日本の外務官僚が、政治家を裏切り、あろうことか交渉相手のアメリカ側と「内通」し談合し民主党政権潰しを提案していたことが記録されているからである。

◆小沢一郎は、官僚ではなく政治家主導の政治を創り上げなければならないと力説している。 国家の主人は国民でありその代理人が選挙で選ばれた政治家であるというのは、議会制民主主義の基本中の基本だ。 官僚は、政治家に従うのが本来は当然なのである。