<その1>
森巣氏がよく引用する、私も気に入っているフランツ・ファノンの言葉「無知というのは知識が無いことではない。疑問を発せられない状態を指す」が本書にも出て来ている。以下本書よりインパクトのある箇所を要約して御紹介していきたい。
◆日本のジャーナリズムは権力からのお墨付きをもらって叩かれても差し障りのない者たちだけを叩く。この場合のお墨付きとは警察や検察からの発言やリークによるものである場合がほとんどである。警察や検察がたまたまそう発言しただけで、それがあたかも事実であるがごとく報道する。検証せず、紙面に書き、テレビで報道する。
◆国鉄が持っていた資産というのは、税金で作られたものだった。つまり国民1人ひとりの財産である。国民が既に持っているものの赤字部分だけは国民に押し付けたまま、利益が見込める上澄みを切り離し、一部の富裕な者たちに売り払った。これが国鉄民営化の正体だった。
◆裏ガネと簡単に言うけれど、それが捻出されるまでには、虚偽有印私文書作成・同行使、虚偽有印公文書作成・同行使、強要、詐欺、公金横領等々の重大犯罪が、なんと違法行為を取り締まるはずの警察署で、白昼堂々と行われていたのである。
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