本書は前横浜市長の中田宏氏の著作であるが、財政再建以外の政策は何もない人(大阪の橋本徹氏と同じ)なので政治家としての興味は全くない。しかしながら、「週刊現代」によるデッチ上げ記事については怒りがこみ上げてくる。
役所の情報を裏付けをとらず垂れ流す大手メディアも問題であるが、週刊誌のスキャンダル記事にもウンザリさせられる。
以下興味を引いた箇所を要約して御紹介しておこう。
◆市長選挙の開票作業を翌日ではなく即日開票にすると市の職員が夜中まで仕事をするため、人件費が1億2,800万円も多くかかってしまう。
◆政治家の政策について、マスコミは勉強していなければ「いい」「悪い」の判断はできない。しかし判断を曖昧にしていても許される建前が、日本のマスコミにはある。それが中立性だ。中立性という名の下に記者の不勉強が放任されている。
◆新聞記者はなぜか優秀で知的だろうと思われがちだが、実際には勉強が足りていない記者も多い。市長時代、よくこう聞かれた。「中田さん、この件についてどう思いますか?」中身をわかっていない人が、とりあえず質問する場合によく使う手だ。どの観点から聞いているのかと聞き返すとしどろもどろになってしまう。
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