＜その２＞
◆日本で最初につくられた電力会社は東京電力の前身の東京電燈で、設立は明治１６年　　（１８８３年）。エジソンが白熱電球の実用化に成功したのが１８７９年だから世界への普及は驚くべき速さだ。

◆革新官僚たちが作った「電力国家管理法案」とは何かといえば、１９３５年にナチスの作ったエネルギー事業法のコピーなのである。正しくは「動力経済法」と呼ばれるものだが、これこそ戦争を遂行するためのナチスのエネルギー・コントロール法に他ならない。

◆電力国家管理法案が成立する以前、昭和１１年に発行された内閣調査官・奥村喜和男による「電力国策の全貌」という書物がある。これを読むと彼は革新官僚であって革命官僚ではないことがよくわかる。革新をすることによって革命を防ぐ、つまり革新とは革命の安全弁だという考え方、姿勢が一貫している。