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 山本義隆「福島の原発事故をめぐっていくつか学び考えたこと」(みすず書房)
2012221日(火)

 

 

<その1>
著者の山本氏は東大全共闘の議長だった人物であるが、専門の物理学ではノーベル賞を受賞できるレベルの秀才であると、あの湯川秀樹が言っていたことを思い出した。 以下本書より重要な発言と思われる部分を要約して御紹介していきたい。

◆なぜ原発を止めて修理しないかと疑問に思われるかもしれませんが、原発を1日止めると何億円にも損になりますから電力会社は出来るだけ止めないのです。放射能というのは非常に危険なものなのですが企業というものは人の命よりお金なのです。(桜井淳氏の発言)

◆これまで日本の原子力発電は、意見の対立や批判精神が全く存在しないモノトーンの集団によって推進されてきたとしか言いようが無い。いかなる問題を前にしても国や有識者、電力会社、原発製造メーカーの見解は常に一つの方向にまとまり、決して“内輪もめ”といった醜態をさらすことが無い。唯一彼らが批判精神をむき出しにするのは反原発に対してである。この機械的な反応、無人格性、無批判性こそ、この先我が国で原子力発電が継続されていく際の最大の危険要素かもしれない。(技術者田中三彦氏の発言)


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