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 山本義隆「福島の原発事故をめぐっていくつか学び考えたこと」(みすず書房)
2012222日(水)

 

 

<その2>
◆原発周辺に住む何万、何千万という人達に対して、原発という未完成技術の発展のための捨石になれという権利は誰にも無い。そもそも福島原発周辺の人達はその受益者ですらないのだ。 田中三彦氏が自己の経験を踏まえて述懐しているように「原発の場合一度でも大きな事故を起こしたらそれで終わり」なのである。とすれば端的に原発は作るべきではないという結論になるであろう。

◆日本は国内に核兵器1,250発分に相当する10トンのプルトニウム(原爆の材料)を貯め込んでいるとされる。これは米露英仏に次いで世界で5番目で、アジアでは断トツに多い。この現実は「世界の核不拡散の秩序づくりに積極的に参画する」という日本政府の方針とはベクトルが逆方向を向いている。

◆1960年は安保闘争の年でもあれば三池闘争の年でもあった。三池闘争は日本の資本主義の石炭中心から石油中心へのエネルギー政策の転換に対する労働者の抵抗であったが、その同じ年に東京大学工学部に初めて原子力工学科が設置された。それは国策に沿ったものであったが、政治家達はその時点で既に石油から原子力へのエネルギー政策の更なる転換を展望していたというよりもむしろ政治、外交面での先を見据え重視していたと思われる。


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