<その1>
本書は元外務官僚であった佐藤氏の著書であるが、以下インパクトのあるくだりを紹介すると共に私のコメントを加えていきたい。
◆「外務省に告ぐ。鈴木宗男氏や著者はウィキリークスの本質を理解しているのでアナーキズムを助長するような行動はしない。他方、外務省で大使まで経験しながら組織に対する恨みと反米感情に凝り固まった人を見付けることは難しくない。こういう人たちとウィキリークスが手を握ると日本の国益を著しく毀損する事態が生じる。人事当局におかれては、OB大使に不満分子を生み出さないようにする細心の配慮をされたい 。」
こういう文章を読むと国家主義者佐藤氏の限界を感じてしまう。外務省の不満分子がウィキリークスに情報を流すと即なぜ国益に反するなどと考えるのだろうか。外務省の持っている情報は本来国民のものである。それを外務省が独占していることそのものが問題なのである。過去の歴史を見ると外務省が隠してきた情報にはアメリカにとって都合のいい話ばかりである。私にはウィキリークスの存在自体が日本の国益に繋がっているとさえ思える。
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