<その1>
橋下徹の批判本である。TV等での討論では橋下批判者は分が悪そうに見えるが、本書の内容は非常に説得力のあるものである。批判者が何故討論になると橋下に押し切られたようになるかというと私は二つ理由があると思う。
一つは批判者は上品なインテリが多いため、橋下をコテンパンにやっつけようという気概に欠けるところがある。その点橋下はここで負けると支持者を一気に失うと思うためか必死である。特に印象的なのは、橋下は議論の対象を自分が実務的によく知っている分野に持ち込んで論争をしている点である。本当は批判者にしても(私自身も)どうでもよいと思っている事項を重要視して、そのことを批判者が知らないと罵倒するのである。
批判者の議論は上品過ぎるところがあり、又目の前にいる人間を罵倒するという発想がそもそも無いため、視聴者から見ると弱々しく見えてしまうのである。
橋下の強さの二つ目は、批判者は橋下個人よりも橋下のものの考え方及びそれを支持する人々を批判しているところにある。つまり論争が噛み合わないのである。
橋下主義とは一般大衆よりもちょっと恵まれている公務員や教員を攻撃し、その既得権益を取り上げろと騒ぐことにある。
一般大衆がより幸福になるための政策を提案するのではなく、公務員等を引き摺り下ろして妬み根性を解消するというのが橋下の主張の核となっている。
そういうベニア板のような薄っぺらな橋下の主張を受け入れている社会そのものを批判者は批判しているのである。
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