<その2>
◆政府がその政権運営、権力維持、情報管理のために行うメディア戦略をスピンコントロールという。情報統制の基本中の基本で、もはや世界中の国では常識となっているこの言葉を日本のメディアだけは使わない。
◆世界中のあらゆるメディアが、まずはウィキリークスの漏洩情報を事実であるかどうかを取材検証し、その後何故米政府がそれを隠したのかを批判的に報じている。ところが日本のメディアだけは違った。自ら検証することなく「暴露系サイト」による信用ならない情報だと決め付けてしまった。
◆ジャーナリズムの最低限の仕事は政府などの公権力が隠そうとする事実を暴くことにある。これは万国共通のジャーナリズムの理念であり、国民の知る権利に応えるものである。ところが日本だけが逆で事実を暴くものを犯罪者にしてしまうのである。
◆米国議会はスパイ防止法の改正を視野にアサーンジを捕え、ウィキリークスを取り締まろうと躍起になっている。その狙いは25万件にも及ぶ米国務省の外交公電を公開されてしまうことのみではない。イラク戦争、アフガニスタン戦争、更には湾岸戦争、ベトナム戦争にまで遡る米国の「帝国主義政策」が白日の下に晒されることを何よりも恐れているのだ。
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