<その1>
元国税調査官の大村氏の著作である。以下本書よりインパクトのある指摘を紹介すると共に、私の意見を述べてみたい。
◆「筆者が税務調査に言った企業で、決算書に全く嘘や間違いが無いというケースはほとんどありませんでした。・・・大企業の9割近くが決算書で何らかの誤りや嘘が発見されています。」
この本のタイトルはウソが9割になっているが、上記のように本文を読むとウソだけでなく間違いもあると書かれている。ウソと間違いでは全く意味が違うと思うのだが第3者から見て信頼性が無いという意味においては同様であると言いたいのであろう。
◆「会計士や税理士が一応チェックすることになっていますが、彼等は決算書を調査する強い権限を持っているわけではないので、その効果はたかが知れています。」
税理士も随分とバカにされたものである。強い権限の有無ではなく、職業会計人としてのプロ意識の有無が問題なのであろう。どの業界にしても上位5%から10%程度しか本当のプロはいない。その意味において決算書の1割しか適正なものでないというのは当然なのかもしれない。
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